鎮西 吟之丈(ちんぜい ぎんのじょう)です。私がメルマガ担当としてお送りする「きょうのぎんのじょう」。
第21回目は、房総大井倉蒸留所についてです。
房総大井倉蒸溜所は、海辺にあるサトウキビ畑から車で10分ほど行った山間部の古民家がペナシュール房総の事業拠点となるBOSO大井倉蒸溜所です。この辺りは温暖な千倉のイメージとは少し違った涼しい森の風景で、千倉海岸に注ぐ川尻川の上流がすぐ脇に流れており神秘的な雰囲気も感じられます。地元の人からは住所の字(あざ)から「大井倉(おいぐら)」と呼ばれており蒸溜所の名称の由来となっています。
房総大井倉蒸留所は、特別に仕入れた日本独自の製法のモラセスを原材料として仕込んだトラディショナルラムを生産しています。
設備面では、シンボルとなる2基の蒸留器が設置されています。1基は連続式と単式の切り替えが可能なハイブリッド型の銅製蒸留器、もう1基は大型の釜の上にラム製造に合わせて設計された蒸留塔を取り付けた完全オリジナルの手作り蒸留器です。その他にも収穫したサトウキビがこの施設内だけでラムになるまでのさまざまな設備を備えており、各設備をレシピに合わせて組み替えることで異なる味わいのラムを製造することが可能です。
房総大井倉蒸留所では、「BOSOアグリコールラム」と呼ばれる房総産サトウキビジュースだけで造られるオンリーワンのラムも生産しています。自社農園のサトウキビは製糖などには使用されず、ラム製造のためだけにオーガニック生産されています。南房総の気候や土壌、潮風などの風土は、驚くほどの甘さを含んだ味わい深いサトウキビを育んでいます。
房総大井倉蒸留所は、本房総半島の最南端の小さな蒸留所ですが、その規模感を活かして自社農園サトウキビを使ったアグリコールラムから糖蜜を使用したトラディショナルラムまで色々なアプローチのラムを生産しています。また、熟成に関しても世界各地から仕入れた樽を使ったり、地元の樹木を活用したりすることでオリジナルの原酒をさらに複雑で奥行きのある味わいに高めるシステムも備えています。
自社農園では蒸留酒に使用することに配慮しオーガニックでサトウキビを生産しており、南房総のテロワールや滋味を感じられる唯一無二のラムをつくるべく日々奮闘しています。
また独自のルートで仕入れた糖蜜を原材料にしたラムも生産しており、小さいながらも様々なアプローチのラムづくりを行なっています。まだ始まったばかりの新しい蒸留所ですが、地域と共存しながらこの地でしかできないラムづくりの歴史と文化を育んで行きたいと思います。
HPより抜粋させて頂きました。